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| 5番関(女人結界門前)にて(4/29) | |
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| 弥山山頂(4/30) | 釈迦ヶ岳山頂(5/1) |
貸切り状態の近鉄電車で「六田」駅へ。終点の吉野駅や、金峯神社から歩き始める人も多いようだが、「逆峰」のスタートへのこだわりで、6時半「六田」からの長い一日が始まる。
美吉野橋を渡り、古道の入口に掛かる。近所のおばさんに吉野へはもう少し先といわれ10分少々の無駄足を踏む事に。地図を頼りに民家の脇を抜け目的の古道へ。吉野神宮脇を抜け、七曲り坂から吉野の町に入る。桜吹雪に見とれて、コースアウトをしながらも、水分(みくまり)神社へ到着。金峯神社から奥駈道へ入る。このあたりで、奥駈道を歩く人に出会い始める。その数、6,7人。皆、吉野駅や金峯神社から歩き始めたとの事。四寸岩山で早めの昼食休憩。百丁茶屋から、大天井ヶ岳を目指す。(大半の人は巻き道<いわゆるバイパス>で五番関へ行くようだ)山頂手前は登り応えがあった。携帯電話もここまで(俗世間と暫しの別れ)。五番関へ降りてきた所で東京からの学生さんと一緒になる。彼も4泊5日で本宮を目指すとのこと。「女人結界門」前でお互いに記念写真。今宿茶屋跡を過ぎたところで残雪に遭遇。時折雪解け水でのどを潤わせながら進む(この先「孔雀岳」を過ぎるまで日陰では残雪が)。
「西の覗」を過ぎて、大峯山寺のある、山上ヶ岳へ到着。宿坊の軒下を借りて野宿する予定であったが、3日の山開きに向けた準備で仮オープン中。素泊まりはOKとの事であったが、時間も早いので「小笹避難小屋」へ行く事に。5時過ぎ「小笹避難小屋」に到着。初めての山小屋泊まり。想像より小さな小屋で5人程度しか泊まれそうにない^^;。周りには色とりどりのテントが十数張りも。不安の中、ドアを開けて覗くと、小屋はすでに先着者で一杯の状態。「テント」持参の3人組に外に出てもらうことで交渉成立。山男に感謝!寝場所の確保をして、夕食の準備(カツ丼とラーメン)。食事と翌日の準備など終え、7時過ぎに6人で互い違いに寝袋に入り就寝。
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今日のコースは楽なはず、であったが、昨日の疲れか、体が重い。ゆっくりと歩き始める。天川辻を過ぎたところで、早めの昼食(わかめご飯)を摂る。奥駈道出合で、天川・洞川の行者還トンネル西口から登ってきた神戸からの50人の団体に遭遇。先行も考えたが体調も今ひとつ、無理をせず、後ろにつくことに。
時間調整で弥山の手前で2度目の昼食(おこわご飯)。が、前にはまだ先ほどの団体が。2時前に予定を終え、弥山小屋に、やれやれ。立派な山小屋、十数年前に皇太子殿下も泊まった(お泊りになられた)との事。電気は発電機。水は600m程下からくみ上げているとか。トイレも水も、お湯も有料だ。(無理もないか)
小屋で買った日本一高価(600円)といわれる缶ビールで一人乾杯。しばし至福のときを過ごす。部屋に戻り与えられたスペース(畳一畳分)の布団(敷き、毛布2枚、掛け)で横になり、しばらくうたた寝。その後、東京からのおばさん二人連れと山行きの話が弾む。4時を過ぎた頃、小篠小屋で一緒だった京都の青年が、その後も次々と宿泊客が到着、今日の宿泊予定者は約30人とのこと。同室に明日「持経の宿」まで行くという人もいた。朝5時に出発するらしい。昨年は時間不足で太古の辻から前鬼へ下ったとの事。多少不安になる。六時夕食。ご飯はお替り自由だ。七時過ぎ就寝。ラジオの天気予報によると、明日は午前の遅い時間から雨との事。
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同室の宿泊者のイビキと寝言でまたまた熟睡できず。5時起床。出発準備をする。6時朝食(ご飯2杯とみそ汁)、6時15分スタート。生ぬるい風。昨日までの天気とは打って変わり、いまにも雨が。ガスが掛かって数十メートルしか視界が効かない。どこまで雨がもってくれるか。近畿最高峰の八経ヶ岳を経て、残雪のコースを戸惑いながら進む。楊子ガ宿で5時に出発した人に追いつく。両部分け付近でコースアウト。絶壁に出てしまい、しばし行く手を阻まれる。踏み後くっきり、ほかの人も結構同じコースを取ったようだ。落木で"×"の目印をつけておいた。10時半過ぎ、とうとう雨が降り始め「雨具」を着る。雨で足元の悪くなった登山道を後続者、先行者10人くらいで山頂を目指す。11時過ぎ「釈迦ヶ岳」到着。「釈迦の銅像」の大きさに絶句!晴れていれば眺望が期待できたが残念。記念撮影、しばし休憩。昨夜のイビキの団体とともに山頂をあとに、深仙の宿へ下る。「深仙の宿」で休憩。香精水は枯れていた。水不足のようだ。
12時過ぎ「太古の辻」へ到着。直進すれば「本宮」へ左折すれば「前鬼」だ。全工程の半分が終わった。南奥駈に足を踏み入れる。石楠花ヶ岳山頂で遅めの「昼食」(弁当)。雨脚は強くなる。天気予報によると、明日の朝には上がるとの事。あたる事を願う。「滝川辻」付近で山つつじに出会う。南に来ている証拠だ。「涅槃岳」に登る途中、大木から水(雨)が滴り落ちている、ペットボトルに給水。5時前に「持経ノ宿」へ到着。寝る場所は有るかと心配していたが、
階下にはトイレや部屋では火が炊ける掘り込みも備えた広い小屋で一安心。奥駈縦走の4人(新潟、千葉、東京、神戸と多彩)と、3人の行者が先着していた。湧き水もあり、水も補充。夕食(親子丼と雑煮)をとりながら明日の天気予報をラジオで聞く。朝には雨が上がりそう。濡れた靴に持参の新聞を詰める。皆で明日の予定や道の状態などを話しながら行者さんの吹く法螺貝の音を聞きつつ7時半頃就寝。雨は夜中にはさらに強くなり、朝方4時頃まで降っていた。(弥山小屋で同質だった人は結局「持経ノ宿」へ来なかった。途中「釈迦ヶ岳」までは、後ろに見えていたのに、また「前鬼」へ降りたのかな?)
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朝食(おこわ御飯とみそ汁)、給水を済ませ、5時50分に神戸からの青年と一緒にお堂へ賽銭を入れスタート。行仙岳で、前日「平治ノ宿」に泊まった人に追いつく。行仙山小屋では「山彦グループ」の人に水を分けてもらう。命の水だ。笠捨山まで4人で前後しながら進む。これまでで一番きつい登りだ。ここまでに比べると山は低くなっているはずだが甘くはない。神戸からの青年にはここから先行された。葛川辻付近で歩きながら昼食(五目ごはん)を済ます。地蔵岳では、岩への登りが分からず「巻道、危険」と赤字で書いてある道へ、崩壊したがけを泥だらけになりながら下り、登ることに。振り返って見れば鎖が見えた。あと50cmほど岩に取り付いていたら苦労せずに済んだようだ(^_^;)。鎖の命綱に頼ったり、岩に取り付いたりしながら地蔵岳を後にする。このあたりには湧き水も無い。
「上葛川」までくだらないといけないようだ。行仙山小屋で水を分けてもらっていなければ大変なことに。玉置神社方面からの登山者にもすれ違うようになる。鶯の音が聞こえ「ツツジ」や「シャクナゲ」の群生も目に付くようになる。玉置山への最後の登りに掛かる。途中に有った「花折塚」は「王寺・片岡の人」の碑とのこと。王寺から来たことを告げ後にする。「展望台」に到着。玉置神社へはあと少し。よく来たものだ。ここでしばし休憩。「携帯電話」も通じ「人」の住む世界へ近づいたことを感じる。自宅へ到着報告をする。玉置山を経て5時前玉置神社へ到着。途中で前後した前日「行仙山小屋」泊の東京からの兄妹とも合流。掛け湯ながら4日ぶりのお風呂に疲れも吹き飛ぶ。部屋に戻り、夕食まで「暖かいお茶」を飲みながらしばし歓談。ニ食付で5500円也。お替りは自由。なお、ここは禁酒・禁煙との事(奥駈修行の地、当然か)。遅めの夕食後、4日ぶりのコーヒーをご馳走になりさらに歓談。宿泊客は20人くらい、9時広い部屋に三人で就寝。
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後でこれが大きな間違いであることを思い知らされる。大森山山頂手前で、東京在住のロシア人とすれ違う。前日、コースアウト後、下の村で野宿したとの事。水も尽きている様子、手持ちの水を譲ってお互いの健闘を誓い別れる。大森山からは急なくだりで枯れ葉が積もっており滑りやすく一苦労、五大尊岳への登りは鎖もある険しい山。大黒天神岳山頂で休憩後スタートするが、右折すべきところを左折してしまい5分くらい山を下って気づき元に戻る。案内表示板は本宮に向う人用ではなく、玉置山へ向う人用であることに気づく。
眼下に流れる「熊野川」を見ながら、吹越峠、七越峠を過ぎる。備崎で川原に降り、熊野川越えに「大斎原」へトライするが、水深が深く川越えを諦め備崎橋を渡って本宮を目指す。1時半過ぎ本宮大社に到着。これで、昨年来5度目の熊野本宮大社詣だ。無事での到着報告後、社務所で交通安全のお札とお守りを購入。4泊5日の大峯奥駈道が終わった。達成感と爽快感にしばし浸る。
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◇カシミール3Dデータによる標高差データ
距離:97.8Km、累計標高(+)7,676m (-)7,750m (合計)15,426m
スタート地点:149m、最高地:八経ヶ岳:1915m、ゴール地点:49m、高低差:1866m

| 出発前 | 奥駈後 | |
| 体重 | 67.3Kg | 65.3Kg |
| 荷物 | 18.8Kg | 13.3Kg |
| 内(水) | 4リットル | 0リットル |
| 所要時間 | 休憩 | ロス | 実時間 | 歩数 | 距離 | スピード | |
| 4/29 | 10時間40分 | 32分 | 20分 | 9時間48分 | 62,150 | 26.4Km | 2.7Km/h |
| 4/30 | 7時間50分 | 34分 | 7時間16分 | 30,678 | 13.1Km | 1.8Km/h | |
| 5/1 | 10時間34分 | 24分 | 5分 | 10時間05分 | 44,094 | 19.2Km | 1.9Km/h |
| 5/2 | 11時間06分 | 30分 | 5分 | 10時間31分 | 46,042 | 20.1Km | 1.9Km/h |
| 5/3 | 8時間10分 | 5分 | 15分 | 7時間44分 | 41,336 | 19.0Km | 2.5Km/h |
| 合計 | 48時間20分 | 2時間5分 | 51分 | 45時間24分 | 224,300 | 97.8Km | 2.2Km/h |
◇持参した荷物
リュック(45l)、ストック2本、寝袋、ガストップ、ガスボンベ、コヘル、リュックカバー、スパッツ、
箸、スプーン、懐中電気、ウエストバック、携帯電話、同充電器、デジカメ、、同充電器、乾電池
レインウエア、ウインドブレーカー、ソックス(3)、パンツ(2)、ズボン(2)、シャツ、タオル(3)、
スボン(帰り用)、パンツ(帰り用)、Tシャツ
白飯(2)、おこわご飯、きのこご飯(2)、わかめご飯、五目御飯、赤飯、カツどん、ラーメン、
味噌汁(2)、親子丼、雑煮、カロリーメイト(2)[X]、チョコ(2)、もっちパン(2)、バタピー、
一口ヨーカン(12)、ウイダーイン[X]、アミノタブレット、アクエリアス粉(5)、氷砂糖[X]、水3L
ティッシュ、歯ブラシ、T字カミソリ[X]、日焼け止め、石鹸、シップ[X]、バンドエイド、ライター、
地図(1/50000、1/25000)、ノート、筆記用具、方位磁石、古新聞
◇参考資料
「吉野・大峯の古道を歩く」山と渓谷社
「ヤマケイ関西No.4大峰山脈・大台ケ原」山と渓谷社
「同上」付録「大峯奥駈道登山マップ」山と渓谷社
◇使用した国土地理院地図:1/25,000