熊野古道・小辺路 「高野道」
2004年7月18日〜19日
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(果無峠18番石仏)(果無峠18番石仏)
7月18日「果無峠から十津川へ」
 5月の「熊野道」コースとは逆のコースを取った。前回は民宿2泊であったが、今回は、テント1泊の強行軍。五條から本宮間のバス車中で昼食(おにぎりとお茶)を済ませ、身支度を終え、バスが本宮大社前に到着後、すぐに出発。大社前は、参詣客やハイキング・トレッキング客でごった返していた。中辺路に入ると、ツアーの団体客や、グループなど多くの人とすれ違う、途中50人くらいまでは数えていたがそれ以降は?の状態。三軒茶屋で中辺路と分かれるまで切れ間なく続いていた。が、小辺路に入ったとたんに誰とも出会わなくなった。三軒茶屋の休憩所には出店が開いており「休んで言 ってね」と声をかけられたが、今日中に十津川まで行くのでといって先へ急ぐ。

2ヶ月前の「熊野道」に比べると、暑さとともに、格段とハードなコースであった。登りの勾配も、距離も想像以上であった。低い方から高い方への流れに逆らってのコースなので当然といえば当然であるが。八木尾で出会った、地元のおじさんに「思っているよりきついよ。気をつけてな!」の言葉とおりであった。一時間も登らない七色分岐でもうヘトヘト状態。 前日、中国・上海からの出張から戻ってきてすぐなので仕方ないかな?体調も芳しくない。早く、峠に着かないかな、それだけを願って黙々と歩き続ける。「八木尾口」には、あたらしい看板が付けられていた。また、分岐など間違えやすい箇所にも「道標」が建てられていた。3時間あまりで峠に到着。峠付近では半そででは多少肌寒いくらいだった。峠でしばらく休憩後すぐに出発。前回撮り忘れた十八番目の石仏の写真も撮り、薄暗くなりかけた道を急いで柳本目指して下山。蕨尾でやめようかと思っていたが、観音堂あたりまでおりると湿度も高く汗をたっぷりと掻いたからか体調も良くなり「高野山」をめざすことに。
ほぼ予 定通りに「柳本」へ到着。国道を歩き始める。「重里」手前で、薄明かりもなくなってきたので「懐中電器」を点燈。通りかかった車が停まり乗っていくことを進められたが歩くことに。もう少し手前なら乗っていたかも(^^ゞ。
予定より多少早めの8時半「宮平」の公衆トイレ前に到着。初めての野宿の準備に掛る。トイレ前の駐車場の蛍光灯を頼りに、テントと格闘、蛍光灯の死角にテントを設営完了。コンロで遅めの夕食の準備「カレー」と「餅入りラーメン」を食べる。後片付け後10時前に寝袋に入る。が、時々通る車のライトとすぐそばを流れる「西川」のせせらぎの音のためかなかなか寝付けない。深夜1時頃漸く寝ついた。

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7月19日「三浦峠、伯母子峠、水が峰、薄峠を経て高野山へ」
 まだ真っ暗な三時半、携帯電話の目覚ましに起こされる。お湯を沸かし昼飯用のパックご飯でおにぎり2個、朝食用の「フーズドライ五目御飯」、塩分補充用のポカリスエットを2本作った。悪戦苦闘してテントをたたみ、トイレで顔を洗って予定より20分遅れて「高野山」目指し、薄暗い中、朝食をとりながら歩き始める。「西中」で古道に入る。三時間で峠の標準コースを2時間半くらいで「三浦峠」に到着。トイレ休憩後すぐに出発。コース途中の「三十丁石の水」は、渇水寸前のちょろちょろであった。前回は、あふれるように流れていたが、ここも雨不足なのかな。三浦集落の少し手前で、東京からの男性2人組とすれ違う。「熊野道」を来たとのこと。お互いエールを交換し合う。予定より1時間早く「三浦口」に到着。
 「五百瀬」の自販機はスポーツドリンクが売り切れ。冷たいお茶缶を買い求め喉を潤す。三田谷よりこのコース最大の難所?伯母小峠越えのコースに入る。「山抜け」箇所は、迂回路ではなく本道が改修され通れるようになっていた。迂回路だと、時間も体力も消費が大きいのでホッとする。持参の水も切れてきたので沢の水で給水。「伯母子峠」で昼食&草むらに寝転びしばし休憩。
 ここから先の破壊されたコースを考えると気が重くなる。気を取り戻して出発。「世界遺産」の古道を歩きに来て標高1300メートル近い場所で車の轍を歩くことになるとは。5月に比べてさらに「復旧」が進んでいる。自然に戻りかけていた「夏虫山」の路も拡張されていた。萱小屋跡では復旧工事の真っ最中でブルドーザ、パワーショベル、ドラックなどの重機が数台停まっていた。古道というよりは林道といったほうが相応しい。大股の入口には「歴史道・復旧工事」 と書いた看板が上がっていた。その横にある「自然を大切に」「世界遺産・熊野古道」の旗がむなしかった。
 大股から水が峰を目指す。この一年くらい手入れをしていないのではないのかと思われる古道に入る。背丈よりも高い萱が茂っていた。余計な「復旧工事」をする位ならここの草刈をして欲しいものだ。多分「野迫川村」の関係者はこの道を通っていないのだろうなと感じた。小辺路全コース中唯一草刈のしていない場所だった。もしかしてこれが「自然を残している」のかな?しかし、ここも古道ではなく林道と化している。「タノイ原線」と古道に出たり入ったりの路を行く。途中「平辻」のあたりは唯一手付かずの「小辺路」が残っていたが、無残にも古道部分の大半が崖崩れの改修工事のために重機で破壊されていた。怒りすら覚える。野迫川村の関係者は「世界遺産」登録をどのように考えているのか聞いてみたい気持ちだ。
 「龍神スカイライン」から大滝集落を目指すコースに入った所で、道を間違えた。分岐でそのまま直進すべきところを、谷へ下ってしまった。5分後くらいに谷が見えてきて間違えたことに気づく。引き返そうか思って周りを見ると、ここコースで同じように多くの人が道を間違えたのであろう、コース復帰のための踏み跡がついていた。地図の重要性と確認の大切さを知った17分であった。無事、本道に復帰。大滝集落で給水後、最後の難関「薄峠」越えに掛かる。ここの湧き水は完全に渇水状態であった。「ろくろ峠」を過ぎ、6時41分高野山到着。「高野道」の旅がおわった。

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◇感じたこと
伯母小峠を境に、古道に対する意識の違いを実感した。十津川よりは、古道を自然のままに残すことに、壊れた道は、迂回路を、倒れた木々は、その部分のみ切断など。野迫川よりは、重機の力で、現代の工法での復旧が、岩盤のパワーショベルの爪跡、コンクリートの用壁、車を通すために無残に切られた木の根など。復旧と言う名の破壊行為が続けられていた。
 小辺路を訪れるひとは、車の轍を歩くことになると思ってくる人はいないと思う。何百年も前の人々が歩いたと同じ道を歩けると思ってきていると思う。「世界遺産」登録の名が泣くことを考えて欲しい。
◇途中で出会った人達
・十津川温泉バス停:名古屋からの夫婦。高野山から、大股、三浦口ときて三日目。伯母子峠までの破壊された古道にがっかりしたとの事。
・八木尾でであった地元のおじいさん。「今から行くのか。気をつけてな」
・十津川村重里付近。30台の夫婦(?)の乗用車。夜8時過ぎ、通りかかりに「乗っていきませんか」うれしかったが「ありがとうございます。大丈夫です。あと少しですから歩きます」
・三浦集落の手前で、東京からの男性2人組。高野山をスタートし、大股、三浦口泊、今日は十津川温泉泊りとの事
・萱小屋跡で復旧工事の人達。ブルドーザ、パワーショベル、ドラックなどの重機が置いてあり、昼休みで休憩中だった。
・萱小屋過ぎで追い越した、伯母子岳から下山中の男性。
・萱小屋からさらにくだったところですれ違った、伯母子岳へ登山中の3人組み。

◇自己情報
出発前体重66.9Kg
帰宅時体重63.4Kgマイナス3.5Kg(5.23%)
荷物総量16.0Kg

◇主な持ち物
トレッキングシューズ、ザック(45L)、テント、シュラフ、レインウエア、
水(3L)、食料、着替え、地図、コンパス、救急キット、トレッキングポール(ダブル)、バーナー、ボンベ、キッカーセット、ライト、ラジオ、携帯電話、ミニランタン、レインスパッツ、ザックカバー、ウエストバック、
ライター、虫除け、デジカメ、メモ帳、油性ボールペンなど
◇歩いたデータ
日付歩数走行距離標準時間走行時間休憩時間
7月18日34,071歩24.0Km07:2005:590:09
7月19日69,904歩50.1Km16:5513:350:46
合計103,975歩74.1Km24:1519:340:55
日付地点予定標準実時間所要歩数距離備考
7月18日(日)自宅発

9:08
0
徒歩
畠田駅9:28
9:28


JR
五條駅10:11
10:11


五條駅前10:27
10:35


奈良交通BS
本宮大社前14:17
14:17


本宮大社前14:30
14:20
3895
トイレ
本宮大社

14:26
44260.5
三軒茶屋
0:4014:530:277379

岩平バス停

15:01
8305

道の駅

15:09
9191

八木尾
0:3515:290:36112675.2最後の自販機
七色分岐
0:5016:150:4614620
5分休憩
二十丁石

16:37
15532

果無峠
1:3017:281:13187735.34分休憩
18石仏

17:37



19石仏

17:43
20040

観音堂
0:2517:500:2220704
給水
天水田

18:13
23230

果無集落
1:0018:350:4525553

果無登山口

18:52
27448

柳本橋19:000:2018:590:24291956
宮平20:302:0020:281:29379667
7月19日(月)起床
3:30




宮平
4:210



西中4:00
4:43
18191.5
矢倉

5:04
3763

観音堂

5:13
4491

道標15-1

5:40
6661

五輪の塔

5:47
7114

今西集落
0:405:500:277444

道標15

6:04
8645

出店跡

6:09
9049

古矢倉
0:356:290:3610431

沢の水
0:506:400:4611095
給水、3分休憩
三浦峠

6:53
119397.56分休憩
三十丁石
1:307:181:1314413

三十丁石の水

7:21
14644
ちょろちょろ
二十丁石

7:25
15063

三浦口9:000:257:580:22190923.8
三田谷登山口

8:13
205310.9
道標06
1:008:430:4522058

道標05

9:29
24864

道標04-1
0:209:510:2426084

道標04
2:0010:181:2928376

旅籠上西家跡

10:34
29686

沢の水

11:11
32992
給水、4分休憩
伯母子峠

11:23
331248.612分休憩&昼食
護摩壇山分岐
0:4011:490:2235091

桧峠

12:10
37198

萱小屋
0:5012:390:3040420

大股14:00
12:59
430746.6
平辻

14:02
46875

タノイ原線展望台

14:44
50281
おにぎり、7分休憩
<足の手入れ>

15:00


14分休憩
古道へ

15:26
51544

水ヶ峰峠
1:3515:411:1653011

龍神スカイライン

15:56
53875

古道へ
0:5016:100:2456253

<コースアウト

16:27



大滝集落
0:3016:500:2861011
給水
古道へ

16:58
60718

丁石
0:5017:210:37


湧き水

17:41


渇水
薄峠

17:47
64562

ろくろ峠

18:26
68242

高野山19:00
18:41
6990421.2
千住院19:24




南海りんかんBS
高野山駅19:322:50
2:36

高野山駅19:41



1.5南海ケーブル
極楽寺19:461:00
0:49

極楽寺19:50




南海電車
橋本20:380:40
0:47

橋本21:290:40
0:29

JR
畠田22:290:40
0:20

自宅
1:0022:401:0371565


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