熊野古道・小辺路「熊野道」
Date 2004-4-29 〜 2004-5-1
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熊野古道・小辺路「熊野道」
−−熊野古道・小辺路(こへち)を歩く−−
小辺路:真言宗の総本山・高野山と熊野本宮大社をほぼ一直線に縦断する峠越えの「和歌山県・高野町」から「奈良県・野迫川村、十津川村」を経て「和歌山県・本宮町」へ至る約72キロの参詣道で、2002年8月18日に「遊歩百選」に選定された。「こへじ」とも呼ぶが、世界遺産登録申請を機に、「こへち、Kohechi」と呼称が統一された。

4月29日(木) 所要時間:18時間25分、距離:92.6Km、歩数:120,416歩
1.自宅から「慈尊院」まで

深夜0時10分自宅出発。国道168号を南下。香芝市を抜け當麻町・長尾で竹之内街道に、大和高田市・大中南交差点で県道132号を右におれ磯野新町で国道24号に合流。この道をひたすら南下。新庄町、御所市を通り、風の森峠(260m) を過ぎ五條市へ。5時26分日の出。
通過
時間
所要
時間
地点名距離歩数備考
0:10
自宅発0.0


1:381:28當麻町長尾8.98.911,265
1:591:49高田市大中南11.42.514,466
2:081:58磯野新町(R24)12.20.815,511
2:552:45御所駅前17.04.821,555
4:104:00風の森峠24.27.230,567260m
4:374:27五條市北宇智駅26.72.533,977
5:385:28二見町オオクワ32.15.441,489
6:136:03県境35.02.945,360
8:258:15慈尊院着49.514.562,702
県境を越え、和歌山県橋本市へ。岸上の検問所先でR24と別れ県道118号に入り高野山方面へ。岸上橋を渡り、R370に合流、九度山町へ。九度山駅前を右におれ真田庵(真田昌幸・幸村親子が隠棲した寺)前を通り、滋尊院へ。予定を15分オーバーして到着。この時点で左足には豆が(^_^;)

2.慈尊院から高野山「大門」まで
  小辺路のスタート地点は高野山ではなく慈尊院と書いている資料を見てここを経由することに。高野山の表参道、町石道の町石を一町(約109m)毎に祈りながら、矢立を経て六町石の高野山「大門」到着。予定を一時間ほどオーバー。大門前には多くのハイカーや観光客がいたが、途中ほとんど人に出会わなかった。慈尊院でこれから登り始める4人グループ、六本杉峠の女性2人組、矢立を過ぎて追い越した3人。すれ違いは、
通過
時間
所要
時間
地点名距離歩数備考
8:35
慈尊院発0.0
62,850
11:312:56矢立茶屋13.613.680,890トイレ&自販機
13:004:25大門着19.45.889.757
自転車で降りてきた4人家族と若者4人組。「大門」に到着した時点で、伯母子(おばこ)峠の山小屋は諦め、大股の民宿に予約の電話。大門前の茶屋でお茶をご馳走になり草餅を3個(315円)食す。

3.大門から小辺路へ(薄峠〜水ヶ峰、大股)
 13時15分昼食もほどほどに先へ急ぐ。門前通りを千手院橋方面へ進み、高野山大学の脇を抜け、金剛三昧院(こんごうざんまいいん)の参道に入る。山門を左手に見送り、真新しい「熊野参詣道・小辺路」の看板を目印に林道を登る。10分ほどで大滝口に到着(別名、ろくろ峠)案内板にはここが小辺路の始点ともある。  ここで小辺路から逸れ右にコースを取り高野山ビューポイント(946mピーク)へ。魔尼山(まに)、楊柳山(ようりゅう)、転軸山(てんじく)、雪池山(ゆきいけ)、弁天岳(べんてん)の八葉蓮華の峰々を望む。大滝口に戻り、コースを右に取り林道を南下し薄峠(すすき)で左の山道に入る。六分くらい下ったところに冷たい湧き水ありのどを潤し、さらに急な九十九折れに足元を気にしながら下っていく。
通過
時間
所要
時間
地点名距離歩数備考
13:15
大門発0.0


13:340:19小辺路入り口1.51.590,637
13:440:29大滝口0.92.4

13:570:42946mピーク往復1.53.992,655
14:251:10薄(ススキ)峠2.66.595,729
15:101:55大滝集落2.89.3100,497トイレ&水
15:13
大滝集落発



15:402:25龍神スカイライン

103,239
16:032:52古道入り口

105,597
16:142:59水ヶ峰峠4.013.3106,3881130m
16:443:29展望台

109,710
17:164:01平辻

113,176
18:004:45大股7.921.2
トイレ
18:355:20北今西着2.523.7120,416
御殿川(おどがわ)に架かる橋を渡り、大滝集落へ入る。民家の軒先にきれいなトイレと水あり。トイレ休憩後、集落を抜けしばらく林道を登る。25分ほどで高野龍神スカイラインに、ガードレールを乗り越え2.5Kmほど歩き、左手の古道入り口案内板を登ると奈良と和歌山の県境に位置する水ヶ峰の分岐点(1130m)に、水ヶ峰集落跡を過ぎて、林道タイノ原線に合流。(この高野龍神スカイラインと林道タイノ原線に沿って小辺路があったとのこと、林道は数年前に開通したようであるが、10キロほどの区間の古道が消えてしまっている。地元で聞いた話では、建設に当たり古道を保存しよう、林道をもう少し下に通そうとの意見もあったようだが結果的に)展望台でしばし休憩。17時間も歩き続け脚の疲れはピークに。
平辻で古道に戻り、この後何度か古道と林道繰り返して、大股へ到着。と思いきや、予約を入れた集落は大股ではなく北今西。ここからさらに2.5キロ歩く羽目に。18時35分民宿「さかもと」着。野迫川温泉に入ることも考えたが、内湯のお願い。風呂につかり18時間あまりの疲れと汚れを落とし、ビールと猪なべをおいしく頂き、足の裏の豆の手当てをして9時前に早々に就寝。

大滝の道標大股の集落川原湯川(蛍の里)

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4月30日(金)晴れ、所要時間:11時間40分、距離:40.4Km、歩数:66,312歩
大股〜伯母子岳〜三田谷〜三浦峠〜西中〜十津川温泉

5時半過ぎ目がさめる。予定より早いが、6時すぎから朝食。頼んでおいた弁当を受け取り、民宿の奥さんの見送りを受けて、6時35分2日目のスタート。古道入口の大股へは7時ちょうどに到着。植林された林道を登ってゆく。途中落石などで結構歩きづらい。すぐにTシャツ一枚に。40分弱で萱(かや)小屋跡へ到着。猿谷を見ながら山腹を進み、桧峠に到着。さらに夏虫山の東側斜面を進んでいく。ブナ林の間に伯母子岳が見えてくる。伯母子岳、護摩壇山、伯母子峠の十字路に。小辺路は、伯母子岳を通らず左の道を伯母子峠へ進むが、伯母子岳山頂へ直進。15分ほどで山頂(1344m)へ。辺りに誰もいない、快晴の空の下に広がる大パノラマを独り占め(北に荒神(こうじん)岳、水ヶ峰。北西に夏虫山。南に鉾尖(ほこさい)山、崖又(がけまた)山、遠くに果無(はてなし)山脈。西に護摩壇(ごまだん)山。東には山上ヶ岳、釈迦ヶ岳、玉置山の大峰山脈)。至福のひとときを楽しむ。伯母子峠への道を下り、山小屋のある峠に。ヒグマ注意の看板にリュックに鈴を付けて三田谷へ向かう。ブナ、モミなどの原生林の道を通る。峠から35分ほど下ったところで、山抜け(崖崩れ)箇所に、その幅は30mぐらい。直進を考えたが『迂回路』へ。これが結構ハード、10分くらい掛って本道に。(ここの崖崩れは年々ひどくなっている様子。古い『迂回路』が途中で途切れていた)旅籠上西家跡を過ぎ、右に『世界遺産登録予定ルート』などと書かれた案内あり、左に進んでみると「この道は、小辺路ではありません。引き返してください」と日本語と英語の立て看板が。山腹を進むと杉・桧の植林帯に(世界遺産に登録されるとこの植林された樹木も勝手に売ったり、切れなくなるとか)さらにゆるやかな下り道を県道高野線に合流するまで進み、三田谷(みただに)橋を渡り五百瀬(いもせ)の集落でトイレ休憩。五百瀬トンネルを抜けたところに自販機あり(冷たい飲み物が出ず、熱いお茶が出てきた(^_^;)。熱い缶入りのお茶を飲みながら三浦口へと向かう。平維盛(たいらのこれもり)の墓があったが遠めに眺めただけで通り過ぎる。
神納川に渡し船があったといわれる吊り橋(船渡橋)を渡り、三浦峠への登りにかかる。杉の中の坂道を進むと石畳の古道が残っている。しばらく登ると「二十五丁石」に。ここで腰を下ろして昼食。さらに登ると「三十丁石」と道標を兼ねた地蔵が。この少し手前に「三十丁石の湧き水」がある。もうしばらく急な道を登る。やがて緩やかな登りになり、三浦峠(1050m)に到着。トイレと休憩所がある。林道を横断して、鹿除けのネットの間を通りぬける。ネットの道をぬけると湧き水あり。古矢倉跡を過ぎて20分くらいのところで小辺路で初めて人と出会う。西中から登ってきたアメリカの若者と案内のおじさんだ。挨拶をして分かれる。尾根沿いの緩やかな下り道を「出店跡」「今西集落」「五輪の塔」「観音堂」と過ぎ、人家のある矢倉集落へ。犬の散歩をしているおじさんに『ご苦労様です。今日は十津川温泉に泊まりですか』と聞かれる。
通過
時間
所要
時間
地点名距離歩数備考
6:35
民宿発0.00

7:000:25大股2.52.53,325
7:371:02萱小屋3.91.46,030
8:131:38桧峠6.22.39,255
8:392:04伯母子岳分岐8.11.911,635
8:532:18伯母子岳8.70.612,5501344m
8:592:24伯母子岳発



9:102:35伯母子峠9.30.613,852山小屋
9:573:22上西家跡11.82.518,475
11:505:15三田谷17.86.0

12:025:27三浦口18.70.931,576トイレ


三浦集落19.40.7

12:596:24二十五丁石

35,185
13:086:33二十五丁石発



13:206:45三十丁石

35,774湧き水
13:547:19三浦峠22.53.138,029トイレ
14:167:41古矢倉跡

40,061出店跡
14:588:23五輪の塔

44,341眼下に今西集落
15:258:50観音堂

47,666
15:529:17西中大谷橋30.68.150,936
16:179:42宮平

53,420トイレ


重里34.33.7

17:4511:10昴の里39.45.1

18:0011:25昴の里発



18:1511:40わらびお浴場40.41.066,312300円
さらに下って西中大谷橋バス停に到着。(ここまできてようやくボーダフォンが通話できるようになった)R425を歩くことしばらく。自家用車と村内バスに乗りませんかと声をかけられる。『ありがとうございます。歩きます。』とお礼を。ビールの自販機を見つける。あと8キロあまりで今日の宿だと、500cc缶を買い飲みながら歩く。これが不謹慎だったのかこのあとひどい目に。西中のバス停から30分くらい歩いた「宮平」にトイレあり。保育所からの帰りの自転車に乗った若いお母さんと園児に『ご苦労様です』と声を掛けてもらい「ばいばい」と手を振って分かれる。
今日の宿泊先にと考えていた「昴の里」に到着、フロントへ。「あいにく満室です。十津川温泉に宿泊先はありますが、空きがあるかはわかりません」とほほ・・・!電話帳で民宿を探して電話を入れるが、どこも満室やら明日からの準備で今日はやっていないと。最悪野宿を考え天然温泉「わらびお公衆浴場」で汗を流す。入浴料300円。石鹸はサービスしてくれた。民宿を探してとお願いして入浴。熱い風呂。汗を流して出ると「ごめんね!民宿全部、ふさがっている」平谷の旅館をあたってみることに。旅館「平谷荘」で素泊まりならOK。贅沢はいえない。バス停前で、夕食と明日の朝食を買い求め、19時旅館着。ビールと買ってきたさば寿司で乾杯(涙)。旅館の露天風呂に入りなおして9時半に就寝!

萱小屋跡夏虫山のブナ林伯母子峠にクマ注意の真新しい看板
伯母子岳の大パノラマ
西
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5月1日(土)晴れ、所要時間:4時間53分、距離:16.2Km、歩数:24,618歩
十津川温泉〜果無峠〜八木尾〜三軒茶屋〜本宮〜五條〜自宅

2時すぎから時々目が覚める。4時半過ぎ起床。おにぎりで朝食を済ませ出発の準備、5時前に旅館をそっと出る。向かいの店先の自販機でお茶と水を買い求め、5時丁度、本宮目指して出発。柳本橋を渡り、果無峠を目指す。向井去来の句碑からすこし歩くと左側に古道の入り口が。1キロほどつづくきつい石畳の道を登っていくと、果無の集落に。民家の前を通り林道を横切り古道の山道に入る。5時34分日の出。薄い雲に覆われている。天水田を経て、観音堂に到着。ここにもトイレと湧き水がある。 ここから急坂を上る。途中19番石仏付近で大嶺山の稜線が見える。さらに植林帯を登りきり、果無峠(1114m)に到着。気温13度と多少肌寒い。ここから八木尾目指して南下する。九十九折の急坂の途中で、眼下に熊野川、本宮町を望み、あと2時間あまりだと元気が出る。七色分岐を過ぎ、八木尾の集落へ到着。
通過
時間
所要
時間
地点名距離歩数備考
5:00
蕨尾発



5:08
果無峠入口0.70.7961
5:31
果無集落1.50.82,171
6:04
天水田

3,879
6:31
観音堂4.53.05,786トイレ.水
6:42
19番石仏

6,326
6:59
果無峠6.01.57,1031114m
7:09
果無峠発



8:06
七色分岐8.72.713,292
8:443:44八木尾11.02.317,513


道の駅12.61.6

9:14
平岩バス停13.30.720,530
9:20
三軒茶屋14.00.721,533
9:534:53本宮大社着16.22.224,618
ここからは本宮まで熊野川沿いにR168を南下。道の駅を過ぎ平岩バス停で右に折れ国道と別れ、三軒茶屋までだらだらと登っていく。熊野古道・中辺路と合流。休憩所とトイレがある。九鬼ヶ口関所を通り、残り2キロあまり本宮のゴールを目指す。このあたりでようやくハイカーに出会い始める。本宮の少し手前で、28日に高野山を出て小辺路を来たという大阪からの二人組に出会う。 前日は果無峠でテント泊とのこと。9時53分本宮到着。ゴールだ、万歳!しばし、感慨に浸る。
大鳥居の八咫烏(やたがらす)をカメラに収め、お土産を買い、ほっと一息。10時23分発の奈良交通バスで一路、五條へ。27時間掛けて歩いた道を4時間あまりで到着。
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半年ほど前、東吉野のMさんの別荘で見せてもらった「熊野古道」のビデオがきっかけで始まった、三日間の「熊野古道・小辺路の旅(熊野道)」が終わった。三日間で歩いた時間34時間58分、歩いた距離149.2Km、歩数21万1346歩、21日分も歩いた(一日一万歩換算)。
次は、「高野道」(小辺路を本宮から高野山)を歩こう。夏には奥駆道を。それに中辺路や大辺路も残っている。しばらく熊野古道に、はまってみるのも悪くないか。


参考にした地図、資料
・国土地理院1:25,000地形図
ルート図
・熊野古道を歩く:山と渓谷社発行
・ウォーク関西版2004年春夏号::山と渓谷社発行
「小辺路」高低図(参照:十津川村観光課発行パンフレット) & ルート図 「小辺路」高低図 ルート図
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